テレビアニメの歴史②1963年放送の作品(ストーリー誕生)
<1963/01/01 18:15「鉄腕アトム」
・原作:手塚治虫「鉄腕アトム」「アトム大使」
・制作:虫プロダクション
・放送:フジテレビ
・提供:明治製菓
手塚治虫原作の「鉄腕アトム」をアニメ化した作品。基本モノクロ作品だが、
56話のみ実験的にカラー制作(ただしカラー制作体制の実験と劇場公開を前提としているが、
受信側にカラーテレビが普及していなかった為、放送自体はモノクロ)。
物語性のある連続作品「ストーリーアニメ」の元祖。
本作の公式認可による許諾性の著作権表記を活用しており、以後のアニメ制作において
制作予算をキャラクタ商品化で賄うタイアップがスタンダードな手法となっていった。
・関連作品
<1964/11/01 07:35「アトム天気予報」>
・制作:虫プロダクション
・放送:フジテレビ
アニメ第1作放送期に別枠で放送された朝の天気予報番組。静止画と短時間のアニメーションで
構成されており、動画自体は本作専用に作られていた。
<1980/10/01 「鉄腕アトム」>
・制作:日本テレビ、手塚プロダクション
・放送:日本テレビ
全編カラーで制作されたリメイク作品。この作品以後のアトムの特殊能力である「7つの能力」は
時代に合わせて若干の変化をするようになった。
また放送が1作目より短い為、後期レギュラーのコバルトやチータンは登場しなくなっている。
<2003/04/06「ASTRO BOY 鉄腕アトム」>
・制作:手塚プロダクション、ソニーピクチャーズ
・放送:フジテレビ
テレビアニメ1作目の40周年及び漫画原作のアトムの誕生日設定である2003年4月7日を記念して
リメイク新作として作られた作品。作者没後初のテレビシリーズ。
<2009/10/10「ATOM」>
・制作:IMAGI
・配給:角川映画
CGモデル作成された劇場オリジナル作品。本作は版権貸出以外では日本は制作関与しておらず、
基本設定以外が大きくアレンジされている。
<2015/11/03「ろぼっとアトム」>
・制作:手塚プロダクション、チャンネルズTV
・販売:ハピネット
2014年にナイジェリアでの放送を前提に制作された。日本では翌年にソフトとして販売。
アフリカ地方での幼児向け教育アニメーションとして作成されたため、キャラクタの
年齢設定を全体的に下げてた明るい作風になっている。
<2019/10/03 17:55「GO!GO! アトム>
・制作:プラネットネモアニメーション
・放送:テレビ東京
テレビ東京の夕方のアニメコンプレックス枠「プリスクタイム」で放送されたリメイク作品。
「ろぼっとアトム」同様に未就学幼児向けとして作成された。
<1963/04/07 17:45「銀河少年隊」>
・原作:手塚治虫「銀河少年隊」
・制作:竹田人形座、虫プロダクション
・放送:NHK
NHKの子供向けテレビ人形劇第4作目にも分類される作品。人物や背景は人形劇、
エフェクトや移動描写等をアニメーションで表現している。
<1963/09/04 23:40「仙人部落」>
・原作:小島功「仙人部落」
・制作:TCJ動画センター
・放送:フジテレビ
国内で初めて成人向けに制作された深夜アニメーション。ギャグ漫画、および4コマ漫画の
アニメーション化は本作が元祖にあたる。
<1963/10/04 18:15「ピノキオの冒険」>
・原作:カルロ・コッローディ「ピノッキオの冒険」
・制作:アーサー・ランキン・ジュニア、持永只仁
・放送:フジテレビ
・提供:シスコ製菓
日米合作のクレイアニメーション。初期は30分番組、後期は別番組とコンプレックスの
15分放送になった。
<1963/10/20 20:00「グリコ劇場 鉄人28号」>
・原作:横山光輝「鉄人28号」
・制作:TCJ動画センター
・放送:フジテレビ
・提供:江崎グリコ
モノクロ作品巨大ロボット作品の元祖。リモコンを28号を操る為、以後のロボットアニメで
主流となるパイロット搭乗式ではない。
・関連作品
<1965/09/05 18:15「グリコ劇場 鉄人28号」>
・制作:TCJ動画センター
・放送:フジテレビ
・提供:江崎グリコ
1作目の直接の続編。半年の休止後された追加エピソード分にあたる。
<1980/10/03 18:00「鉄人28号」>
・制作:東京ムービー新社
・放送:日本テレビ
鉄人を当時流行のスーパーロボット風にリメイクした作品でデザインが大きく違う。
玩具商品や後のソフト化の際は「太陽の使者 鉄人28号」というタイトル表記の場合もある。
<1992/04/05 10:30「超電導ロボ 鉄人28号FX」>
・制作:東京ムービー新社、アサツー
・放送:日本テレビ
1作目の続編で未来の話。旧作主人公の孫が新主人公になっており、リモコンも銃型のアイテムだった。
タイトルのFXはフューチャーエックス(未知なる未来)を意味している。
<2004/04/08 01:30「鉄人28号」>
・制作:敷島重工(ジェンコ、ガンジス)、パルムスタジオ
・放送:テレビ東京
久々の原作デザインでのアニメ化。シナリオは連載開始時期をモチーフとして大幅にアレンジされてい
る。
放送中に作者が没した為、生前関与した最後の作品。
<2007/03/31「鉄人28号 白昼の残月」>
・制作:パルムスタジオ、ジェンコ、ガンジス
・配給:メディア・スーツ
2004年版のリメイク作品。デザインは酷似しているが、設定は異なる。
<2013/04/06 04:52「鉄人28号ガオ!」>
・制作:エイケン、フジテレビ
・放送:フジテレビ
デフォルメキャラによるコメディチックなリメイク作品。制作・放送が1965年版以来
エイケン(旧・TCJ動画センター)、フジテレビとなっている。
<1963/11/04 19:00「ピーコック劇場」>
・制作:東映動画
・放送:NET
・提供:大丸百貨店
東映動画の旧作劇場アニメを放送するテレビ番組。放送された作品は
長編映画
「少年猿飛び佐助」、「西遊記」、「アラビアンナイト・シンドバッドの冒険」、
「白蛇伝」、「安寿と厨子王丸」、「わんぱく王子の大蛇退治」、「わんわん忠臣蔵」
短編映画
「こねこのらくがき」、「うかれバイオリン」、「こねこのスタジオ」、「のんき駅長」、
「かっぱのぱあ太郎」、「一寸法師」、「たぬきさん大当り」、「小人と青虫」、
「ねずみのよめいり」、「もぐらのモトロ」、「トラちゃんと花よめ」、「子うさぎものがたり」
<1963/11/08 18:00「エイトマン」>
・原作:平井和正・桑田次郎「8マン」
・制作:TCJ動画センター
・放送:TBS
・提供:丸美屋食品
漫画「8マン」を題材とした作品。モノクロ作品。
タイトルは放送がTBS(6チャンネル)の為、多局を連想させぬようアニメ独自で変更された。
原作は同年開始だが鉄腕アトムへの対策として早期にアニメ化が決定した。
・関連作品
<1993/08/21「エイトマンAFTER」>
・制作:J.C.スタッフ、サンクチュアリ
・発売:エモーション
原作漫画最終回後の未来を描いたOVA作品。
<1963/11/25 18:15「狼少年ケン」>
・原作:大野寛夫、月岡貞夫
・制作:東映動画
・放送:NET
・提供:森永製菓
東映動画初のオリジナルテレビアニメ。モノクロ作品。
8マン同様「鉄腕アトム」のヒットへの対策として企画された。
<1963/12/20 18:15「進めシスコン シスコン王子」>
・原作:藤子不二雄「シスコン王子」
・制作:スタジオKAI
・提供:シスコ製菓
同年10月から放送していた「ピノッキオの冒険」がコンプレックス枠「進めシスコン」と
改変され、その枠内でで放送された。シリアル菓子・シスコーンのマスコット「シスコン坊や」を
モチーフとしており、同時期に藤子不二雄(現在の藤子不二雄A)による漫画原作版が作成された。
今日はここまで。
[感想やらまとめやら]
ストーリーアニメの初期群=視聴率人気抜群だった作品な訳で、派生作品多くて
まとめるのに時間かかったでゴザルw
一応アトム、鉄人に関してはアニメ化以前に実写版が存在したり、
アトムに至っては特別番組での登場(主役級・脇役問わず)がメチャクチャ多いので
とりあえず「原作を共有しているアニメ作品」をピックアップしておきました。
将来的にこの紹介文章が進められれば、記載しなかった特番はいくつか出てくる筈。
あとあくまで「劇場版の初回テレビ放送」「テレビ版を編集したブローアップ劇場版」は
同じ作品やローカルで調べきれない物が出そうなので除外してます。
個人的にはチョコボールの元祖マスコットキャラの狼少年ケンを全編は見たことないのに
オススメしておきます(ぇ
いや、当時の制作技術的には東映動画が一歩先に進んでる(というか他は新参会社なのに対して
東映動画はこの10年以上前からディズニー的なヌメヌメを目指して活躍していた所なので
本来こちらが基準として、他が低予算・作画枚数削減などで一歩引けてるが正しいか?)し、
多分大多数の人が主題歌をどこかでは聞いたことありそうなものなので、
興味出るかなと(なお森永のキャラの曲がロッテのCMに使われるとかいう謎ケースもあるけど)
次回は1964、1965年放送開始関連でまとめる予定。
なんで2年分かっていうと、1964年はテレビアニメ史上最も新作作品数が少ないから
(今回紹介した63年組がロングラン放送が多かったり、制作体制的に複数同時無理だったりで
多分少なかったんでしょう)